さて、上のご夫婦、健康診断の結果から腎臓の数値が悪くて
ショックを受けているところです。
最近、腎臓の数値について注目をされています。
新たな国民病として注目されている慢性腎臓病(CKD)
以前は慢性腎不全と呼ばれていました。
2002年にアメリカの学会で導入され、全世界に普及し始めています。
実は日本人も2000万人がCKDの疑いがあると言われています。
腎臓は自覚が出にくいことから「沈黙の臓器」とも呼ばれていて、
一度壊れると回復することはまずありません。なので、早期発見が
最も大事なのです。
CKDは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が主な原因となり、徐々に
腎臓の機能が低下していきます。初期の段階では自覚症状がほとんどないため、
気づかないうちに病気が進行してしまうことが少なくありません。
他の症状や機能の悪化も同時進行で起こってしまうこと。
放置しておくと、高血圧や動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や
脳梗塞などの命に関わる合併症を招くことが多いのです。
腎臓の機能が低下してくると、アンジオテンシンIIと言う血圧を上げる
ホルモンの活性度が上がり、動脈硬化が起こります。
動脈硬化が進むと、循環器の血管障害が進みます。
血管は全ての疾病のもとになるので全身の症状として捉えられます。
特に高齢化社会においては、がんを克服した後、CKDに直面する人が増えています。
これは、高齢になるにつれて腎臓の機能が低下しやすいことや、
高齢者は複数の慢性疾患を抱えていることが多いことが原因と考えられます。
CKDは、放置すれば命を脅かす恐ろしい病気ですが、早期発見・治療を行うことで、
進行を遅らせ、合併症を防ぐことができます。定期的な健康診断を受け、
尿検査や血液検査を行うことが大切です。また、バランスの取れた食事、適度な運動、
禁煙など、生活習慣の改善も重要です。
CKDは、決して他人事ではありません。私たち一人ひとりが、この病気について正しく理解し、
予防に努めることが求められています。