【女性は内臓脂肪が２倍速でつく】
ホルモンバランスの変化と
筋肉・代謝量の低下が襲来
脂肪のつき方は、
性別と年齢で変わってきます。
女性の場合、女性ホルモン
「エストロゲン」の働きで、
皮下脂肪がつきやすく、
内臓脂肪がつきにくい状態が続きます。
その理由は、エストロゲンが、
妊娠・出産にかかわる骨盤内の
臓器を保護するため、腰の周りを中心に皮下脂肪
をつけようと働くからです。
しかしエストロゲンは徐々に分泌量を減ら
します。すると皮下脂肪がたまりにくくなる
一方で、内臓脂肪がたまりやすくなります。
一説には、4~55歳で閉経すると、
それ以前の2倍の速さで内臓脂肪が
増えていくといわれています。
それに加えて、加齢によって骨盤底筋が
衰えて内臓下垂になったり、年々基礎代謝量
や筋肉が落ちたりと、中年期以降は何かとお
腹がポッコリしやすくなります。
また、女性の場合には、過度なカロリー制限
や糖質制限によるダイエットで筋肉を減らし
てしまい、通常より早く基礎代謝量が減って内
臓脂肪が増えているというケースもあります。
男性は、男性ホルモン「テストステロン」の
働きで筋肉が発達し、脂肪が燃焼しやすく、体
脂肪がつきにくい状態が続きます。しかし、
「中年太り」というように、加齢とともに内臓
脂肪がつきやすくなります。 その原因は年々
筋肉と基礎代謝量が減ることにあります。
そして男女共通で注意しておきたいのは、体
重は標準値であっても、内臓や筋肉に直接つく
「異所性脂肪」をため込んでしまっている
「隠れ肥満」です。
特に肝臓に脂肪がつくとさまざまな
生活習慣病につながります。
脂肪のつき方は男女それぞれで傾向があり
ますが、必ずしもすべての人に当てはまるわけ
ではありません。糖尿病などを引き起こす前
に、健康診断は必ず受けるようにし、血液検査
の数値を注視しましょう。