【甘いものは別腹の正体】
食事がすすんで
「もうお腹がいっぱい」
と思いつつも、
「甘い物は別腹」と,
デザートをたいらげてしまった
という経験はないでしょうか。
これは食欲中枢のはたらきを
考えてみたら不思議なことです。
なぜなら、食事が終わった時点で,
すでに「もう食べなくてよい」と
指令を出す満腹中枢がはたらいて
いるはずだからです。
なぜ、ご飯をたくさん食べたあと
でも甘い物は食べられるのでしょうか。
実は、この “別腹”をひきおこしている
のは、大脳の前方にある
「前頭連合野」という場所です。
ここは味にこだわったり
楽しんだりといった食欲に大きく
影響している部分です。
本来、前頭連合野では、何かを
食べつづけると
「もうこれ以上食べられない」
という感覚が形成されます。
ただし、前頭連合野が形成する
「もう食べられない」は、
お腹がいっぱいになって感じる
「もう食べられない」とは
ことなります。
あなたがジャンボパフェを
食べているところを想像して
みてください。
おいしいと思って
食べはじめますが、
食べても甘い味がつづくと
徐々にあきてきて、
「もう食べられない」と
途中で食べるのが苦痛に
なってしまうでしょう。
しかし、そこにうす塩味の
スナック菓子が出てきたら、
喜んで食べる人は多いので
はないでしょうか。
つまり、この場面であなたが
「もう食べられない」と思うの
は、たくさん食べて
お腹がいっぱいだからではなく、
味にあきたからなのです。
デザートと主食やおかずには
似た味の物が少ないため、
食べることができるのです。
また,前頭連合野は胃の中に
デザートが入るスペースを
つくるはたらきもします。
これが 「甘い物は別腹」
の正体です。